2010年8月29日(日)「しんぶん赤旗」

すき家バイト勝利

残業代全額支払わせる

東京地裁 会社側が結審前に受諾


 牛丼チェーン「すき家」仙台泉店のアルバイト従業員が、同店を経営する株式会社ゼンショーに残業代未払い分の支払いなどを求めて裁判をおこしていた問題で27日、会社側が従業員の請求額約99万円をすべて受諾しました。裁判は東京地裁で9月に結審の予定でしたが、それを待たずに従業員が勝利し、終了になりました。

 訴えていたのは首都圏青年ユニオンに加入する福岡淳子さんら3人。2005年9月から翌年10月までの残業代と、店舗の売り上げ金紛失の立て替え分などの支払いを求めて08年4月に提訴しました。

 裁判では、アルバイト従業員について労働契約ではなく業務委託契約だと主張する会社に、アルバイト側は会社に従属して働いていた労働者だと反論。裁判官も「時給で働く人間が業務委託契約と主張するのはいかがなものか」と論理矛盾を指摘する場面もありました。

 また原告の一人が「店長」だったことから「管理監督者」であるかどうかも争点になり、アルバイト店長には大きな権限がなく「管理監督者」とはいえないことも明らかになりました。

 外食大手であるゼンショーは「フード業世界一」をスローガンに急成長。「すき家」は正社員がわずか700人、アルバイトが約7000人といわれる雇用形態をとっています。「偽装委託」「名ばかり管理職」が不払い労働の背景になっている裁判で、会社側に争いを断念させ“コールド負け”に追い込んだことは注目されます。

 首都圏青年ユニオンと顧問弁護団は「今回の勝利は、非正規労働者であっても声をあげてたたかうことによって大企業に法律を順守させることができるという道筋を示したという点で非常に重要だ」と話しています。





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