2010年8月28日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 宮崎県が口蹄疫(こうていえき)終息を宣言したその日、東国原県知事が来春の東京都知事選への出馬を検討していると一部で報じられました。本人は9月議会で自身の去就を表明する考えを示しています▼真偽のほどはまだ分かりません。けれど、任期途中の国政転身で騒がれたこともあり、より権限のある首都の長の座を視野に入れていたとしても不思議ではないでしょう▼ただし、大打撃をうけた畜産農業の復興はこれからです。感染を封じ込めるために殺処分された牛や豚は約29万頭。猛威をふるったウイルスに震え、精魂こめた命を奪われてきた畜産農家は、ほっと一息とともに生活の立て直しに力を尽くさねばなりません▼さっそく、同県の日本共産党と農民連や商工団体らが政府交渉に乗り出しました。万全な再発防止策、畜産農家への十分な復興資金、畜産関連業者や地域経済への支援基金など、しっかり国が主導して対策をとれ、と迫っています▼精神的な不安にくわえ、多額の負債を抱え、飼料高騰と販売価格の低迷で苦しんでいる現場の切実さ。風評被害もそこに輪をかけています。再出発といわれても、どこから手をつけていいのか途方にくれる状況があります▼被害総額は2千数百億円にも達するといわれ、日本の畜産史上未曽有の被害をもたらした伝染病。宮崎県だけでなく、日本の食料と経済をどう守っていくかが問われています。もちろん県政も、早期の復興とともに、将来の畜産農業をみすえた再生に総力をあげてとりくむときです。





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