2010年8月28日(土)「しんぶん赤旗」
円高 中小企業の経営圧迫
「現水準継続で減益」73%
経産省が調査
経済産業省は27日、円高進行を受けて緊急実施した企業業績への影響調査の結果を発表しました。下請け企業を含む中小企業98社に対する聞き取り調査では、現在の円高水準(1ドル=85円)のもとでも、約5割の企業が「減益」になっていると回答しました。
同様の円高水準が継続した場合、73%が「減益」になると答えました。このうち、下請け中小企業では約8割強の企業が「減益」になると回答。急激な円高が中小・下請け企業の経営を圧迫し深刻な影響を及ぼすことが示されました。
輸出製造企業を中心にした102社(卸、小売等、非製造業を含む)への調査でも、最近の円高(1ドル=85円の水準)で、「当初見込みに比べて利益が減少する」と回答した企業が65%に達しました。
このうち「深刻な減益」に陥ると答えたのは14%にのぼりました。また、同様の水準の円高が半年継続した場合、72%の企業が減益になると回答しました。大企業による「円高減益」を理由にしたいっそうの下請け、労働者へのしわ寄せが懸念されます。
また、1ドル=85円程度の水準が継続した場合の対応を複数回答でたずねたところ、39%が生産・開発拠点を海外に移転すると回答。海外生産比率を引き上げると答えた企業も6割に上りました。
放置すれば、「国内産業の空洞化」がさらに加速することは必至です。
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