2010年8月26日(木)「しんぶん赤旗」

有期契約の規制強化を

厚労省研究会が最終報告案


 厚生労働省の「有期労働契約研究会」(座長・鎌田耕一東洋大教授)は24日、契約社員や期間社員など雇用の期限に定めがある有期労働契約について、法改正を含めたルール整備を求める最終報告案をまとめました。

 具体的な検討課題としては、契約を結べる業務を限定することや、現在無制限となっている契約更新回数の制限などを例示。雇用が不安定になりがちな人たちの権利保護に向け、大幅な規制強化を求める内容になっています。

 研究会が近くまとめる最終報告を受け、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)は今秋から審議を開始し、来年度中に結論を出す見通しです。厚労省はその後、労働基準法、労働契約法などの改正を含む具体的見直し策を講じる方針です。

 報告案は、契約更新回数に上限を設ける場合、守らなかった企業へのペナルティーとして、無期の労働契約を締結したと強制的にみなす制度の導入などを検討するよう提唱。また「正社員登用制度」をはじめ、正社員への転換措置を義務付けることも、今後の課題として挙げています。

 有期契約労働者は1985年に437万人でしたが、企業が人件費抑制を進めたことなどから2009年には1年以内の契約期間で働く労働者が751万人に増え、雇用者の13・8%に達しています。08年秋のリーマン・ショック後には、企業が契約更新しない「雇い止め」が続出し、社会問題化しました。

 有期労働契約を結べる期間は、トータルで英国が4年、ドイツや韓国が2年に制限。研究会は09年2月から、海外の事例も参考に見直しの方向性を議論してきました。





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