2010年8月24日(火)「しんぶん赤旗」

主張

高齢者医療

欠陥制度は一刻も早く廃止を


 民主党は後期高齢者医療制度の廃止を公約して政権に就いたにもかかわらず、「新制度」をつくるまで現行制度を維持するとして公約をほごにしています。

 その「新制度」を検討している厚生労働省の高齢者医療制度改革会議が20日、「中間とりまとめ」を発表しました。

 それによると、サラリーマンやサラリーマンの被扶養者の高齢者は組合健保や協会けんぽなど被用者保険に入ります。それ以外の、大多数の高齢者は国民健康保険に加入させ、現役世代とは「別勘定」にして都道府県単位で財政運営をする制度に組み込みます。

根本欠陥を引き継ぐ

 高齢者医療の財政を現役世代と「別勘定」にすれば、高齢者が増え医療費が増えるにつれて高齢者の保険料がどんどん引き上げられていきます。

 健康な人も健康に不安を抱える人も、老いも若きも互いに支え合ってこそ保険制度です。健康上のリスク(危険)の高い高齢者だけを囲い込んで「別勘定」にしてしまう制度は、公的保険として致命的な欠陥制度です。

 「うばすて山」と呼ばれる後期高齢者医療制度は、高齢者の保険料を2年ごとに値上げする過酷な仕組みです。その大もとには、高齢者の医療財政を「別勘定」にした制度設計があります。高齢者に負担増の痛みを強いることによって医療にかかることそのものをあきらめさせ、医療費の抑制を図るという非人間的な仕組みです。

 民主党政権がつくろうとしている「新制度」も、高齢者を「別勘定」にした現行制度の根本欠陥を引き継ぐ制度です。民主党の山井和則・厚労政務官は7月の高齢者医療制度改革会議で次のようにのべています。「医療費抑制、医療費の伸びは、現役世代も高齢者も同様にかぶりましょうというのが今回のこの案のねらいだ」―。

 こんな「新制度」に移行することで、後期高齢者医療制度を廃止する公約を守ったとはとても言えないことは明らかです。「新制度」は「うばすて山」の存続にほかなりません。

 高齢者医療制度改革会議では、委員として出席している県知事からも厳しい批判が出ています。「最大の問題は国の最終的な財政責任が一切示されていないこと」「低所得者あるいは無職者がたくさん増える中で、慢性的な赤字をどう克服したらいいのかということが(国保の)構造的問題で、その議論は一切ここでは行われていない」―。

 医療費を無理やり抑え、国庫負担を削るやり方では問題は決して解決できません。同時に、大きな矛盾と批判を抱えた「新制度」の成立を待つ政府の姿勢では、いつまでも現行制度が続き、国民の被害が広がるだけです。

安心できる制度に

 高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは政治の重要な責任です。とりわけ高齢化が進んでいる日本では、安心して高齢期をすごせるかどうかは全国民的な問題として、ますます大事な課題になっています。

 日本共産党が提案しているように、後期高齢者医療制度を速やかに廃止して元の老人保健制度に戻すとともに国庫負担を抜本的に増額し、さらに高齢者の窓口負担の無料化や保険料負担の軽減を図っていく改革が求められます。





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