2010年8月21日(土)「しんぶん赤旗」
厚労省会議
高齢者差別を継続
後期医療「新制度」中間まとめ
後期高齢者医療制度に代わる「新制度」を議論している厚生労働省の高齢者医療制度改革会議は20日、高齢者の大多数を現役世代と別勘定の国民健康保険(国保)に加入させる「新制度」の中間とりまとめを決定しました。高齢者を差別して負担増と医療抑制を強いる後期高齢者医療制度の根幹を残すものです。
「新制度」では、サラリーマンとして働く高齢者やサラリーマンの家族に扶養される高齢者は組合健保や協会けんぽなどの被用者保険に入ります。
それ以外の約8割の高齢者が入る国保の財政運営は都道府県単位で行い、市町村単位の現役世代と別勘定にします。高齢者の医療費が増えれば高齢者の保険料(給付費の1割に設定)が際限なく上がる仕組みによって、医療費抑制を迫るものです。高齢者の保険料の伸びが現役世代の保険料の伸びを大きく上回らない仕組みを設けるとしますが、具体的なあり方は検討課題とされています。
▽別勘定の年齢は75歳以上か65歳以上か▽都道府県単位の国保の運営主体を広域連合にするか都道府県にするか▽70〜74歳の患者負担(医療費の2割と法定され1割に凍結中)をどうするか―なども今後検討します。
また、市町村国保についても、早期に都道府県単位化を図る方針を確認。足立信也厚労政務官は、いずれ被用者保険も地域保険化して統合し、一元的に運用するための一段階だと強調しました。
今後は、2巡目の公聴会を開催した上で最終とりまとめに向けた議論を行い、来年の通常国会に関連法案を提出する意向です。