2010年8月20日(金)「しんぶん赤旗」
鹿児島・阿久根 不当労働行為に抗議
全労連が市長に要請書
全労連は19日、鹿児島県阿久根市の竹原信一市長に対し、市職員の組合脱退強要などの不当労働行為に抗議し、法令遵守(じゅんしゅ)を求める要請書を提出しました。
この問題は、阿久根市の副市長が、市長の了解のもとに16日の課長会で、「組織の中枢部の総務、企画調整、財政の3課全職員に対し、市職員労働組合からの脱退を要求し、応じない場合は異動させる」方針を明らかにしたというものです。
要請書では、「これが事実であれば、もっとも公共性が高く、法の遵守が求められる地方自治体ではあってはならない前近代的、独善的な違法行為と言わざるを得ません」と批判しています。
とくに地方公務員法上の職員組合は、憲法が保障する「結社の自由」や「労働基本権」にもとづく存在であり、最大限尊重される必要があると指摘。地方公務員法56条で、職員団体の構成員であることを理由にした不利益取り扱いが禁止されていると強調しています。そのうえで「地方公共団体自らが不当労働行為を行い、近代国家の基本原則を逸脱するようでは、法治国家として住民の信頼を失う」としています。
市側が組合脱退を求める根拠にしている「守秘義務」について、対象となる「秘密」の内容が「公益を害する結果が生ずる」場合に限定されると指摘。職員の労働条件に直接影響するような事項は、その範囲で「秘密」とならないとし、労働基本権制約の根拠にはならないとのべています。
そのうえで、法令を遵守し、不当労働行為を即時中止され、労使関係正常化に真しに取り組むよう強く求めています。
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