2010年8月20日(金)「しんぶん赤旗」
米戦闘部隊が撤退
イラク 月末には5万人体制に
【ワシントン=西村央】米主要メディアは18日、イラク駐留米軍の戦闘部隊が同日撤退を開始したと報じました。米軍準機関紙「星条旗」(電子版)によると、最後の戦闘旅団の「第4ストライカー旅団」は18日(現地時間)に首都バグダッドを出発し、19日(同)にクウェート国境を越えました。
2010年8月末までの戦闘部隊の撤退はオバマ大統領の公約でした。今月末以降は治安維持などで5万人が駐留しますが、今後11年末までの完全撤退が焦点となります。
03年に開始されたイラク戦争は、イラクの大量破壊兵器所有を理由としたものでしたが、「大義」とした大量破壊兵器は発見されず、開戦理由自体が歴史的捏造(ねつぞう)の疑いがあるものとして厳しい批判にさらされてきました。その後、米英軍などによる不法な占領支配が続くなか、それへの抵抗や暴力が広がっていました。
イラク駐留米軍は最大時、16万8000人に上りましたが、開戦時イラクに兵を送った各国は次々と撤退していました。
イラクには今後、バグダッドの米大使館などの警備や、イラク治安部隊の訓練などにあたる部隊が残りますが、米紙ニューヨーク・タイムズによると、民間契約による警備部隊は7000人に増員させることを検討しています。一方、これまでの戦争資材などはアフガニスタンに投入されることになります。なお、アフガン駐留米軍はことし9月までで9万6000人規模に増派される予定で、イラク、アフガン合わせて14万6000人の駐留規模となります。
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