2010年8月19日(木)「しんぶん赤旗」
普天間基地「移設」問題
新基地容認派 勢ぞろい
沖縄県知事選・名護市議選前に“気勢”
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」先を名護市の辺野古沿岸にもどした日米合意。沖縄県知事選(11月11日告示、28日投開票)、名護市議選(9月5日告示、12日投開票)に向け、民主党政権と県内「移設」容認・推進派が急接近、その連携から見えてくるのは―。(山本眞直)
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「名護市議選は(新基地容認派が)勝つ。その結果を見てから知事は普天間『移設』についての態度を決めればいい」。8月初旬、那覇市のホテルで開かれた仲井真弘多県知事の後援会役員会。「辺野古回帰の道筋」をこう語ったのは名護市の有力建設会社会長。
同知事は、「県内移設反対」で高まる県民世論の前に「日米合意の実現(辺野古への移設)は難しい」と表明。しかし「県内移設反対」は口にしません。
そんな知事に北沢俊美防衛相が「仲井真さんに(知事選で)勝ってほしい」と期待を込めました。
7月23日に名護市内で開かれた同知事を招いての、新基地容認派の市議選予定候補者15人の激励会。島袋吉和前市長はじめ市商工会、漁協組合、ビール会社、建設会社などの代表らが勢ぞろいしました。
名護市関係者は不快感をにじませて言います。「自公政権時代から新基地容認・推進してきたオールスターキャストの再登場だ」
前出の建設会社会長は沖縄北部の“建設業界のドン”とよばれ、激励会を準備した中心人物。上京して、前原誠司沖縄担当大臣と「辺野古移設」、市議選問題で懇談したとされています。
容認派は、市議選(定数27)で過半数の議席を確保し、「海にも陸にも新基地はつくらせない」とする稲嶺進市長と対決、逆流させる構えです。辺野古出身のある議員は「(市議選で)基地問題はさけて通れる話ではない」といいます。
マスコミ関係者はこう指摘します。「知事選、名護市議選をめぐる政府、在沖米国総領事の動きは活発だ。総領事は本国に『辺野古は可能性ある』と打電しているはずだ」