2010年8月15日(日)「しんぶん赤旗」

主張

終戦65周年

平和の決意を生かしぬく日に


「とにかく終戦によって何万、何十万の人間の生命が救われたことは事実です…そう考えれば生き残ったわれわれが何をなすべきか。一人々々が真剣に考えるべき問題であることはたしかなのです」

 1963年に月刊誌が企画しテレビでもことし再現された、さまざまな立場で終戦に立ちあった関係者の座談会の中での発言です。

 きょうは1945年8月15日の終戦から65周年にあたります。戦争の惨禍に思いをはせ、平和への思いを新たにし生かしぬく決意の機会としたいものです。

戦争の記憶は消えない

 終戦までの15年間、日本は日中戦争からアジア・太平洋戦争へと、アジア諸国への侵略をつづけました。日本の戦争によるアジア諸国民の犠牲は2000万人を超し、日本国民も310万人以上が犠牲になりました。

 終戦から65年たち、戦争を体験しなかった人が大半になっても、戦争の記憶は消えてなくなることはありません。家を焼かれ、戦後も苦しい生活を送った「被害」の体験とともに、朝鮮半島や中国での「加害」の体験からも、逃れることはできません。原爆や空襲、抑留などの被害補償とともに、強制連行など加害への補償は、いまも解決が求められる問題です。

 戦後日本国民は、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(日本国憲法前文)と誓って再出発しました。文字通り「生き残ったわれわれ」としての平和への決意です。

 戦後も朝鮮戦争やベトナム戦争、湾岸戦争やイラク・アフガニスタンでの戦争など、日本を戦争に巻きこむ危険な動きがありました。イラクの戦争では戦後初めて武装した自衛隊が「戦地」に送られたこともありました。しかし、そのたびごとに国民が憲法を使って反対し、日本の軍隊が相手国の国民を殺し殺される事態を許さなかったのは、国民の平和への決意が生かされたものです。

 日本を「戦争する国」に引き戻そうとする勢力はここ数年、憲法9条を改悪し、日本が軍隊を持ち交戦することを公然と認めようと画策しました。しかし国民の草の根のたたかいは改憲勢力を追い詰め選挙でも後退させるなど、そうした策動も封じ込めてきました。

 在日米軍の「再編」と称した沖縄などでの米軍基地強化の動きに対しても、沖縄では文字通り「島ぐるみ」で立ち上がり、普天間基地の無条件撤去を要求し、県内での基地たらい回しをねらった「新基地」建設を許してきませんでした。これらも平和への決意が生かされた、特筆すべき出来事です。

反戦・平和の党として

 ことしは戦前の「韓国併合」から100年、戦後の日米安保条約改定から50年の節目の年でもあります。戦後65年を迎えた世界は、戦争ではなく外交と話し合いで紛争を解決する方向に、大きく前進しています。人類を絶滅させる危険な核兵器をめぐっても、廃絶が世界の大勢となりつつあります。

 日本共産党は戦前の創立以来侵略戦争と植民地支配に反対して命がけでたたかってきました。戦後平和への決意が憲法に明記されたもとでも、憲法を守りその実現を求めてきました。今後とも反戦・平和の党として、平和の決意実現のため国民とともに力を尽くすことが日本共産党の決意です。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp