2010年8月14日(土)「しんぶん赤旗」
米軍ヘリ墜落6年
普天間に平和な空を
沖縄国際大が集会
「願わくば、こういう集会を開かなくてもいい状況にもっていきたかった」(沖縄国際大学の富川盛武学長)―。米海兵隊普天間基地所属の大型輸送ヘリCH53Dが沖縄県宜野湾市の同大学に墜落・炎上して6年となる13日、墜落現場の本館横で「普天間基地を使用する航空機の飛行中止を求める学内の集い」が開かれました。
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ヘリ墜落の時刻、午後2時10分すぎに始まった「集い」には、多くの学生や市民が集まりました。ヘリの残骸(ざんがい)があった場所から、「この空が一日も早く『ノーフライ・ゾーン』となり、騒音のない安心できる平和な空になることを祈って」(照屋寛之副学長)、ハトが放たれました。
富川学長が声明を読み上げ、「事件直後から、理不尽で悲惨な事件に対し米軍はじめ関係組織に強く抗議し、飛行中止を求めてきたが、いまだ本学上空を飛行し、問題解決がなされ」ないと指摘。大学関係者から現状固定化への強い懸念とともに、「即時飛行中止や普天間基地の一日も早い閉鎖・返還」を求める声が相次ぎました。
「墜落当時、高校2年生だった」という同大4年の男性(21)は「県外の中高生は事件のことをほとんど知らず、同じことは県内の若い世代、沖国大の学生にもいえるかもしれない。事実を知り考えることの大切さを多くの同世代と共有していきたい」と語りました。
日米政府、危険を放置
伊波市長が批判
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宜野湾市の伊波(いは)洋一市長は13日、市役所で記者会見し、「沖縄国際大学への米海兵隊ヘリ墜落事故から6年をむかえて」とのコメントを発表しました。安里猛副市長らが同席しました。
伊波市長は、今日でも住宅上空で早朝から深夜におよぶ頻繁な旋回飛行訓練が続いており、市民は爆音被害と墜落の恐怖のなかでの生活を余儀なくされているとして、「危険性が依然として放置されている現状は断じて許されるものではない」と強調しました。
その上で、SACO(日米特別行動委員会)の合意から14年が経過しているにもかかわらず「何の対策も取られず、見通しのない代替施設完成まで沖国大事故同様の住宅地への墜落事故が起こりうる危険性を放置しようとする日米両政府の責任は極めて重く糾弾せざるを得ない」と批判。「一日も早い普天間飛行場の閉鎖・返還にむけて引き続き全力で取り組んでいく」と決意を示しました。
また「普天間返還が代替施設建設を前提にしており、危険性の除去もその流れにある。移設と危険性の除去は当然切り離すべきだ。一番大事なのは移設を断念させること」と強調しました。