2010年8月12日(木)「しんぶん赤旗」
アフガン 治安悪化さらに
民間人死傷者31%増 今年前半
子どもや女性の犠牲者も
【ワシントン=西村央】国連アフガニスタン支援団(UNAMA)は10日、今年6月末までの半年間で、アフガンで戦闘に巻き込まれるなどで死傷した民間人は3268人に上り、前年同期より31%増加したことを明らかにしました。このうち死者は1271人で前年同期比同21%増となっています。アフガンの治安状況がいっそう悪化していることを示しています。
アフガンでの民間人の年間死傷者は昨年、2001年の米国によるアフガン戦争開始以来、最多となりました。今回の発表は民間人死傷者が昨年のペースを上回っていることを示すもので、今年は最悪の死傷者数となる恐れがあります。
報告は、子どもの死傷者が昨年同期から55%増加したとし、「アフガンの子どもと女性がこれまで以上に紛争に巻き込まれている」と指摘しています。
今年前半の死者のうち、イスラム反政府組織タリバンなどの反政府武装勢力のテロなどによるものが920人で全体の72%を占めています。米軍や国際治安支援部隊(ISAF)やアフガン治安部隊によるものが223人で18%、どちらによるものか分からないものが128人で10%となっています。
報告書は、反政府武装勢力の攻撃が死傷者増加の要因となっているとし、「自爆テロと簡易爆発装置(IED)が犠牲者を増している」と指摘しています。人が密集している場所での自爆テロや道路脇などに仕掛けられるIEDによる攻撃が後を絶たないことをあげ、民間人死者の61%、負傷者の73%がこうした攻撃によるものとしています。
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