2010年8月8日(日)「しんぶん赤旗」
盛岡 全国保育合同研究集会始まる
待機児問題解決へ交流
第42回全国保育団体合同研究集会(主催・同実行委員会)が7日、3日間の日程で盛岡市で始まりました。連日35度前後の市内。会場は全国から集まった5500人を超える保育士や保護者たちの熱気でいっぱいです。待機児童の増加や政府が「保育の市場化」をねらう新制度を持ち出すもとで、どの子にも幸せを保障する保育をめざして交流しました。岩手での保育合研は初めて。
|
会場の盛岡市アイスアリーナには氷柱と扇風機。全体会では保育士や保護者140人と市内の保育園児29人、保育士をめざす学生24人がオープニングを飾りました。
全国実行委員会の渡邉保博実行委員長(静岡大学教授)のあいさつのあと、保育のいまと未来を考えるオープニングフォーラムが開かれました。
愛知・けやきの木保育園の保育士は、電話で保育所入所について問い合わせてきた母親の話を紹介。「定員超過でこれ以上入れられないというと、『子どもをおいて働きにいけ、ということですね』と。『それはやってはいけないことよ』といったんですが、待機児問題の深刻さを感じました」と話しました。気持ちを出せない困難な子どもたちに寄り添う保育を報告し「親も含めて育ち合う保育所をつくっていきたい」とのべました。
大阪保育研究所の男性は、保育制度改革の新システムの問題点について「直接契約でお金でサービスを買うものであり、市町村の保育の公的責任がなくなってしまう」と指摘。「新制度ではなく、最低基準の引き上げや認可保育所の増設など質のよい保育をすべての子どもたちに保障することが求められている」と強調しました。
初めて参加した地元の女性(34)は6歳、3歳、10カ月の3人の母親。シングルマザーです。「保育園は働くママの力強い味方です」と話していました。
8日は分科会、シンポジウムなどが行われます。
■関連キーワード