2010年8月6日(金)「しんぶん赤旗」
被爆の実相伝えよう
日本被団協が集会
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日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は5日、広島市内で被爆65年にあたって集会を開き、世界のすみずみまで被爆の実相を伝え、核兵器のない世界を実現しようと誓いあいました。約80人が参加しました。
坪井直代表委員が主催者あいさつし、「私たちは元気を出して頑張らなければならない。国同士が信頼しないから抑止力に頼る。国においても『信なくば立たず』といいたい」とのべました。
木戸季市事務局次長が核不拡散条約(NPT)再検討会議にあわせてニューヨークで核兵器廃絶を訴えた日本被団協代表団52人の行動と成果を報告。国際共同行動でのマンハッタン行進、国連本部での原爆展、学校などでの証言活動、各国国連代表部への要請の様子をパワーポイントで紹介しました。
被爆2世で九州大学大学院の直野章子准教授が講演。被爆後も暮らしと体、心に及び続ける痛みのなかで多くの被爆者が沈黙し、原爆で殺された人たちや子、孫への罪意識にさいなまれながらも、被爆者が「二度と繰り返すな」と被爆体験を語り続けてきたことを、被爆者たちと接してきた経験を交えて振り返りました。被爆体験を聞くことは語り手と聞き手との共同作業であり、聞いた者の責任は重いと強調。被爆者の言葉の重みを受け止め、「明日の語り手」となることが大事だと話しました。
参加した被爆者からは「体験を語る被爆者をもっと掘り起こしていかなければ」「核兵器をなくす重要なチャンスを迎えており、原爆投下の道義的責任を明らかにする必要がある」などの意見が出されました。
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