2010年8月5日(木)「しんぶん赤旗」

イスラエルとレバノン衝突 4人死亡

国連・米が自制要請


 【カイロ=松本眞志】イスラエルとレバノンの両国軍は3日、両国国境で交戦し4人が死亡しました。今回の武力衝突は2006年のイスラエル軍によるレバノン侵攻以来、最大の規模。国境地域の緊張が改めて明らかになりました。死亡したのはイスラエル軍将校1人、レバノン軍兵士2人、レバノン人記者1人です。


 衝突の原因についてレバノン軍は、イスラエルの巡回部隊が国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)の制止を聞かずに、国連が画定した境界線(ブルーライン)を越えてきたため、ロケット砲弾で撃退したと述べています。その後、イスラエル軍が自動小銃と戦車砲で応戦し、付近の村に砲撃を加えたとしています。

 イスラエル軍は、境界付近にいた同軍将校らがレバノン領内から狙撃されたと強調。大佐1人が頭部を撃たれて即死し、もう1人が胸部を撃たれて重傷を負ったとしています。

 UNIFILは4日、声明を発表し、衝突が発生した際、イスラエル兵はブルーラインのイスラエル側で木の伐採作業をしていたと述べました。

 06年の戦争当時に紛争当事者だったイスラム教シーア派組織ヒズボラは、今回の衝突には関与していないとしています。しかし、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は、イスラエル軍のレバノン軍への攻撃が続いた場合、沈黙することはないと述べています。

 国連や米国はともに両国に対して戦火が拡大しないよう自制を要請。

 ロシアのチュルキン国連大使は「安保理常任理事国は、当事者に対して最大限の自制に努めることを求め、ブルーライン上での敵対行為の停止と紛争拡大の防止を定めた安保理決議1701の厳格な順守を要求した」と語りました。





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