2010年8月5日(木)「しんぶん赤旗」

沖縄市・泡瀬干潟埋め立て

国・市の強行許さない

住民団体が抗議の会見


 沖縄市の東門美津子市長が3日、同県中部・東海岸の泡瀬干潟埋め立て(東部海浜開発事業)計画の見直し案を国に提出し、その場で前原誠司沖縄担当相が了承した問題で、「泡瀬干潟を守る連絡会」は4日、抗議の記者会見をしました。


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(写真)(右から)前川、小橋川氏ら抗議の記者会見をする「泡瀬干潟を守る連絡会」の人々=4日、那覇市

 同会の小橋川共男・共同代表は、埋め立て開発の土地利用計画について「裁判でも経済的合理性がないことが確定している。市と国が談合のような形で泡瀬の埋め立てを強引に進めようとしている。市、国は許しがたい」と語りました。

 同会の前川誠治事務局長は、市の計画に「経済的合理性」がない理由をあげ、「新たな埋め立て事業が再開されないように、考えられる新たな運動を幅広く検討し提起していく」と語りました。

 当面、東門市長と前原大臣への抗議、同市長への公開質問状を提出することにしています。

 この問題では、4月の市長選で、東門市長と4党(共産、社大沖縄市支部、社民、民主第3区総支部)が「土地利用計画に経済的合理性がないときは、事業を推進しません」と明記した政策・組織協定を締結。当選直後、市長は「市議会、市民のみなさん、私を支持してくださった方々、とくに4政党と合意をしておりますので、お話し合いをしたうえで、次のステップとして国へということを考えている」と語っていました。

 しかし、市長は7月30日、市議会の与党連絡協議会と議員全員協議会、4党に「一方的に説明」(日本共産党・嘉陽宗儀県議)しただけでした。

生物の宝庫守り抜く

公約違反だ 党県議団が会見

 日本共産党の沖縄県議団(5人)は4日、沖縄市の泡瀬干潟埋め立て問題について、県議会内で記者会見しました。全県議が参加しました。

 嘉陽宗儀団長らは、埋め立て計画の見直し案を一方的に国に提出した東門美津子市長と、これを即座に了承した前原誠司沖縄担当相に抗議し事業計画の撤回を要求。「世界的にも貴重な生物多様性の宝庫である泡瀬干潟はどんなことがあっても、みんなの力で守るために頑張り抜く」との決意を表明しました。

 この間の経緯として、事業計画ができたら市長は4党(共産、社民、社大、民主)に提出し、経済的合理性の有無を検討するという政策合意をしていた、と指摘。ところが「需要予測が過大に見積もられ、科学的根拠が不透明なもの」を市長が一方的に説明し、再度の話し合い提案をも無視して政府に提出したことを明らかにしました。

 嘉陽団長らは「まさに公約違反だ。市民の声と4党との合意を無視するやり方で許されない」と批判しました。





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