2010年7月31日(土)「しんぶん赤旗」
比例削減 年内合意を指示
「一党独裁」へ菅首相ふみこむ
菅直人首相は30日、首相官邸で記者会見し、衆院比例80議席、参院40議席を削減する「国会議員定数削減」案を8月中に民主党内でとりまとめ、12月までに与野党で合意するよう、民主の枝野幸男幹事長、輿石東参院議員会長に指示したことを明らかにしました。菅首相が、国会議員の定数削減の具体的なスケジュールに踏み込んで発言したのは初めてです。
菅首相は、2011年度予算編成について「今回は民主党にとって初めての本格的予算編成だ。まずやらなければならないのは無駄の削減の実行だ」「国会議員自身が身を切ることも必要だ」などと語りました。
そのうえで菅首相は「『衆院の定数を80、参院の定数を40削減する方針に沿って8月中に(民主)党内の意見を取りまとめてほしい。そして12月までには与野党で合意を図ってもらいたい』と、きょう朝、枝野幹事長と輿石参院会長に指示した」と述べました。
とりわけ衆院比例定数を80削減すれば、民主党だけで3分の2以上の議席を独占することになり、どんな法案も再議決可能な“一党独裁”となります。
また、会見で菅首相は、参院選結果について「かなり厳しいものだった。唐突と受け止められた消費税発言が大きく影響した」としながらも、「財政再建の課題は、どなたが総理大臣であろうが、どの党が政権を担当しようが避けて通れない大きな課題だ」と強調。参院選で国民多数から批判を受けた消費税増税をあくまで推進する立場も示しました。