2010年7月30日(金)「しんぶん赤旗」
過労死ライン 2000人以上
不払い残業代 年34億円
中央官庁の労働者 過酷
霞国公の実態調査で判明
2千人以上が過労死の危険ライン、不払い残業代は年34億円―東京・霞が関の中央府省で働く労働者の実態が29日までに、霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)の残業実態調査結果でわかりました。
調査によると、平均残業時間は月32・8時間。残業手当の予算枠が月30時間のため、2・8時間が不払いになります。霞が関全体の職員数3万4200人で試算すると、不払い残業代は年33億8000万円にのぼりました。実際、61・1%が「不払いがある」と回答しています。
残業時間数でみると、過労死の危険ラインとされる月80時間を超える残業者は6・3%(191人)。霞が関全体の職員数で試算すると、2155人になりました。現在または過去に過労死の危険を感じた人は、回答者全体の34・5%で3人に1人にあたります。
残業の要因は、「業務量が多い(定員不足)」64・7%がトップで、「不合理な仕事の進め方」20・6%、「国会対応」17・9%でした。
政権交代による残業の増減では、「増えた」が20・9%(「減った」3・9%)となっています。増えた要因として、「政府主導の予算編成・事業仕分け」62・1%、「業務見直し」49・3%、「政務三役対応」47・6%と続いています。「増えた」が最も多いのは厚生労働省で52・9%(「減った」0・4%)、月残業時間は70時間を超えています。
調査時期は今年3月、回答数は3056人(組合員の31%、霞が関一般職員の9%)でした。
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