2010年7月30日(金)「しんぶん赤旗」
「普天間は世界一危険」
基地爆音訴訟 ヘリ低周波被害初認定
賠償額2.5倍
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米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の周辺住民387人が国を相手取り、米軍機の夜間から早朝までの飛行差し止めや損害賠償などを求めていた普天間爆音訴訟の控訴審判決が29日、那覇市の福岡高裁那覇支部(河辺義典裁判長)でありました。
河辺裁判長は、米軍ヘリの低周波騒音による健康被害を初めて認定。損害賠償額を約1億4600万円とした一審判決を変更し、約3億6900万円の支払いを国に命じました。また、米軍普天間基地を「『世界一危険な飛行場』と称されている」と司法として初めて基地の危険性を認めました。他方、夜間・早朝の飛行差し止めと航空機騒音測定請求は棄却しました。
原告側は、判決を「一歩前進」と評価したものの、飛行差し止めについて上告する意向を示しました。
判決は、騒音被害の深刻さを改めて認めたうえ、低周波被害について「心身に対する騒音被害が一層深刻化するという経験則がある」と初めて認定。
賠償額の算定にあたっては、「抜本的な騒音対策を講じて違法状態を解消していない上、いまだ環境基準の基準値も達成していない」「(米軍に)騒音防止協定を遵守(じゅんしゅ)させ、実効あるものにするための適切な措置をとっておらず」と被告・国の姿勢を厳しく指摘しています。