2010年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

超短期の受療証発行

川崎市 国保料滞納に制裁措置

市社保協 厚労省に中止要請


 川崎市が国保料の滞納者に有効期間が短い受療証を制裁措置として発行するのは重大な人権侵害だとして、川崎市社会保障推進協議会は28日、受療証の発行をやめさせるよう厚労省に要請しました。要請後、市役所で記者会見しました。


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(写真)記者会見する市社保協の人たち=28日、川崎市

 受療証は本来、本人確認ができないなどの理由で正規の保険証を交付できない場合、早急に医療機関に受診する必要があるときなどに交付されます。川崎市は滞納者に対し、支払い能力に応じた分納を約束した市民に短期保険証(6カ月)を発行してきましたが、昨年から市が提示する金額(2年以内完済)を分納できない場合、短期証より短い有効期間(1週間〜1カ月)の受療証を発行しています。

 市側は「未納者対策として実施しているものでない」としますが、市社保協は収納対策強化を始めてから受療証が交付されるようになったとして発行中止を求めています。

 会見で市社保協の田中国雄事務局長は、社保協加盟の協同ふじさきクリニックで1月〜6月に患者18人に対し受療証が発行され気管支ぜんそくや高血圧症などの患者5人が治療を中断したことをあげ、「無保険での治療中断は命の危機を招く問題として重大な人権侵害だ」と指摘。保険料や医療費の減免制度活用や分納で滞納問題を解決すべきだと語りました。

 自営業の夫に受療証を発行された川崎区の女性(48)は、不況で仕事が減って年収が半分以下になり、保険料を払いたくても払えなくなったことにふれ「命にかかわる保険証がないために病院に行けない人がたくさんいる」と訴えました。

 厚労省の要請には日本共産党の佐野仁昭市議が同席しました。





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