2010年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

司法修習生へ給与継続を

自由法曹団など 各界懇談会開催


 市民とともに司法修習生の給費制問題を考えようと28日、「司法修習生に対する給与の支給継続を求める各界懇談会」が都内で行われ、約90人が参加しました。主催は、自由法曹団、全労連、日本国民救援会。

 この問題は、政府が11月から司法修習生への給与を打ち切り、貸与制にするというもの。集会では、日弁連の金子武嗣副会長が日弁連と市民の共同の広がりを紹介しました。

 自由法曹団の菊池紘団長は「修習生が経済的、時間的余裕がなくなれば、生活に困った人と司法の結びつきはどうなるか。市民の苦しみを自らのものとする弁護士をもっと増やしたい。大きな課題として、この問題に取り組む」と決意表明。

 大阪から参加した男性弁護士は「昨年12月に弁護士登録したばかり。もし給費制がなかったら、借金は1000万円を超えていた。他人の破産を扱う前に自分が破産したかも」とのべ、地元での取り組みを紹介しました。

 都内の法科大学院2年の男性(29)は「大学院の3年間の奨学金は利子も合わせると1390万円になり、貸与制で修習生になると1690万円の借金を背負うことになる」とのべました。また「学生の中では高収入が得られる大手渉外事務所に入ることがもてはやされている」と、法科大学院生の経済事情や気分を報告しました。

 現在、再審中の布川事件の杉山卓男さん(63)も「今よりも人の痛みがわからない裁判官が増えたら困る」と発言。日本共産党の井上哲士参院議員もあいさつしました。





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