2010年7月28日(水)「しんぶん赤旗」
国連総長 「広島会議」にメッセージ
「核抑止」論こそ幻想 世界の安全 核廃絶で
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は26日、平和市長会議と広島市が27〜29日に同市で開く「2020核廃絶広島会議」にメッセージを送り、「核抑止力」依存を批判し、「安全を保証し、核兵器の使用から逃れる唯一の方法は、それを廃絶することだ」と訴えました。
平和市長会議は、核兵器廃絶を求める世界各国の都市で構成する団体。広島市が会長を務め、144カ国・地域、4千以上の都市が加盟しています。
メッセージの中で潘氏は、しばしば「核軍縮は夢だ」と片付けられているが、核兵器が安全保障に役立つという考え方こそ「幻想だ」と批判。ある国が核抑止力論を主張すれば、ほかの国々も次々に同じ政策を採用することになり、結局、世界中が不安定になってしまうと指摘しました。
そのうえで潘氏は被爆者がみずからの体験を世界に語り伝えてきたことに「深い称賛」の意を表明。とりわけ核兵器保有国の指導者に対し、広島と長崎を訪れ、「核戦争が引き起こした、その激烈な現実をその目で見る」ことを強く求めました。
そして「各国政府にとって、核なき世界を求める人々の意思に応える以外に選択肢はないという日がくるまで力を尽くそう」と呼びかけました。
■関連キーワード