2010年7月27日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 涙の表彰式から一夜が明け、白鵬に笑顔がみえました。3場所連続の全勝優勝、連勝も47まで伸ばし、「応援してくれたファンがいたからできた」。孤高の横綱のふんばりが、土俵への関心をつなぎとめました▼それにしても異例ずくめの15日間でした。NHKの生中継もなく、満員御礼はわずか4回。観客は前年に比べ約1割減り、懸賞や賞品も大幅に少なくなりました。名古屋の会場では暴力団を一掃しようと、入り口に監視カメラを設置し、警官を巡回させ、場内放送をくり返していました▼ただし、改革の道筋はまだ見えてきません。外部識者による独立委員会は暴力団との交際や賭博を禁じる罰則付きの規定や専門部を設けるとしています。今後、角界にのこる「ごっちゃん体質」や閉鎖性まで手はとどくのか▼以前、同僚記者が出世中の幕内力士に趣味をたずねたら、「パチンコですかね」と返答したそうです。本紙25日付でも元関取が「多くの力士は暇を持て余し、花札やマージャンで遊ぶのが普通でした」と語っています▼閉ざされた世界に生きる力士の日常にしのびこむ黒い影。それを断ち切るには、彼らの生活までふみこまなければなりません。相撲協会は十両以上の力士や行司らの関係者を集めた意見交換会を開く予定だといいます▼伝統文化として、スポーツとして、長い間、国民から親しまれてきた大相撲。門戸を外に開き、社会とつながり、ともに発展していく組織に変わることができるか。そこが試金石でしょう。





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