2010年7月27日(火)「しんぶん赤旗」
陸自の“海兵隊化”検討
防衛政務官 新「大綱」の骨格示す
長島昭久防衛政務官は26日に都内で講演し、年末に策定される、今後の日本の軍事力の指針となる新「防衛計画の大綱」の骨格を明らかにしました。
それによると、▽安全保障戦略の策定▽南西方面へ国防の重心を移す▽海空戦力の増強と陸自の一部海兵隊化▽「国際平和活動」拡大▽武器輸出規制の緩和―といった項目が、政府の有識者懇談会「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・佐藤茂雄京阪電鉄最高経営責任者)や、防衛省内で議論されています。
有識者懇談会は8月上旬にも報告書を菅直人首相に提出します。
長島氏は、テロや大量破壊兵器、海賊などを例に「いろんな不安定要素が世界中にある。国際社会の不安定要因を積極的に出ていって取り除いていく能動的な方向に踏み出す段階に来ている」と語り、従来の「専守防衛」の考え方を大きく転換する考えを示しました。
自衛隊の補給艦が「海賊対処」を行う外国艦船に給油することについて「アメリカやNATO諸国から要請が来ている。検討しなければいけない」と述べました。
長島氏は、「なんでもかんでもアメリカに助けに来てもらうメンタリティーから脱却していかなければならない。(日本の)南西方面は手薄だ。陸自は一部海兵隊(米軍)の機能を担うように変わらなければならない」と述べました。武器輸出三原則については、兵器・装備品の国際共同開発や同盟国などへの武器輸出を可能とする緩和策に言及しました。
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