2010年7月23日(金)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
きのう、生まれて初めて日傘をさしました。歩いていると、しょぼくれた初老男の日傘姿を、珍しがる人もいます▼しだいに熱してきた地球の変化に応じ、暮らし方を変えてみよう。そう考えての日傘といえば、やや大げさでしょうか。しかし前夜の東京都心は、夜が更けても30度台だったとか。毎夜のように続くなら、およそ人の住むところではありません▼エアコンをきかせてしのいでも、排熱がまた外気を暖める。「ヒートアイランド」化がいわれて久しいが、海風をさえぎる高層ビル建設はやまない。電気代をきりつめて暮らす人や、エアコンのない部屋で過ごさざるをえない人にきびしすぎる、都心の環境です▼夏の土用の入りは20日でした。昔々の中国人は、一切の物事を木・火・土・金・水の五つに分けたくて、四季にも五つを当てはめました。春は木、夏は火、秋は金、冬は水。土が余ります。そこで、四季の終わりの部分から18日を削り、まとめて土を割りあてました。土用の始まりです▼春秋冬の土用は忘れられ、土用ときけば夏。土用の入りから立秋までの18日ほどが、一年で最も暑い。ことしの猛暑も、土用と重なりました。しかし、ことしは立秋が過ぎてもきびしい残暑、とみる向きがあります。海水温などの観測にもとづく予想です▼どうやらことしは、猛暑に対する心構えがいるようです。まずは、熱中症にご用心。お年寄りはもちろん、炎天下で働く人、広島・長崎へ向かって行進する人…。くれぐれも気をつけて。