2010年7月23日(金)「しんぶん赤旗」

無党派と共同 革新懇 活動いきいき

来年30周年 あす全国総会


 全国革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす全国の会)は24日東京都内で、全国総会を開きます。来年で結成30周年。地域、職場、青年革新懇は797に広がり、「小学校区」や「町内会」単位の革新懇も誕生。国民の切実・多彩な要求を取り上げ、無党派との共同を広げ、政治変革をめざす革新懇運動の値打ちは輝いています。

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(写真)「いま沖縄の米軍基地問題を考える」と題して開かれた基地問題シンポジウム。(左から)発言する志位和夫委員長、仲山忠克弁護士、宜野湾市の伊波洋一市長=2009年12月5日、沖縄県宜野湾市

消費税、普天間問題

国政の焦点で行動

 全国革新懇と、地域、職場、青年革新懇は、消費税増税反対、沖縄・米軍普天間基地の無条件撤去、核兵器廃絶、後期高齢者医療制度の廃止などを求める署名宣伝や学習会を重ね、世論を広げてきました。

 秋田県や香川県で農林業をテーマにしたシンポジウムも開き、自民党の基盤といわれてきたJAからパネリストの出席や来賓あいさつがあるなど共同が広がっています。

 国政で大きな問題となっている米軍普天間基地をめぐっては2009年12月、全国革新懇、沖縄革新懇、沖縄県統一連の主催で無条件閉鎖・撤去を求め、米軍基地問題を考えるシンポジウムを沖縄県宜野湾市で開催。県議会議長や自民党を含む超党派の県議も参加し、「島ぐるみのたたかいへの発展に大きな力になった」として県内でも注目される取り組みとなりました。全国革新懇が沖縄で、シンポジウムを開いたのは3回目です。

 最初の1990年は、那覇市で「90沖縄・安保と日本の進路を考える」と題して開催。97年は名護市で「海上基地建設と日本の進路を問う」として開きました。シンポ直後に行われた名護市の住民投票(97年)で海上基地建設反対が多数を占め新基地建設ノーの意思が示されるなどシンポジウムは、いずれも共同を広げる一つの力になりました。

高速道路に反対し「町内会」単位の会

横浜市

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(写真)庄戸革新懇の結成総会=5月22日、横浜市栄区

 一戸建てが立ち並ぶ閑静な住宅街の横浜市栄区庄戸(しょうど)。最寄りのJR港南台駅から車で10分ほどの場所にある同地区に今年5月、「町内会」単位の革新懇が結成されました。昨年10月の全国革新懇総会から、今年の総会までに「町内会」単位の革新懇結成は全国で庄戸が唯一です。

 「地域の隅々まで目をいきわたらせるためにも重要。何をやるにしてもきめ細かくできる」。庄戸革新懇で事務局員を務める荒陞(のぼる)さん(67)は町内会単位の利点をこう語ります。

 庄戸地区では、町内会のなかに道路委員会が設置され、20年を超える高速道路建設反対運動が続けられてきました。

 庄戸革新懇の結成に向けては、その道路反対運動に参加してきた住民に呼びかけました。

 道路建設ありきで、住民の要求を受け付けない国や横浜市の状況を目の当たりにしてきた住民たち。反対運動のなかで政治を変える必要性を感じてきていました。今回そこに訴え、元社会党関係者を含む18人で結成されました。半数が無党派の人たちです。今後、医療や介護の学習会なども計画しています。

「お花見と安保」や自然卵ピヨピヨ会

さいたま市

 各地の革新懇では多彩な活動が行われています。昨年12月、約300人の参加で結成総会を開いた、さいたま市の緑区革新懇は、これまでに個人の力が発揮される住民組織をつくることを大切にしてきました。4月にはお花見をしながら「60年安保と私」を語り合いました。そのなかで、「(60歳を超えた私たちが)60年安保闘争を60代安保として引き継ごう」という提案も飛び出しました。

 会員から出された要求を大切に、日常のなかで革新懇運動が継続するよう工夫しています。模索の中で立ち上げたのが、鶏を飼って産まれた卵を参加者で分け合う自然卵ピヨピヨ会です。鶏の世話のために毎日、当番で会員が集います。

 神部勝秀事務局長(66)は、会員が主体的に活動する大切さを強調します。「取り組みを呼びかける側と呼びかけられる側にならないようにしています。生活の中で革新懇運動が息づくようにすることを大切にしています」

運動の提唱者として共産党が活発に推進

鳥取県

 革新懇運動の提唱者として日本共産党が主体的に結成に向けた動きを活発化させています。

 日本共産党鳥取県委員会は、推進委員会を設けて革新懇結成に向け意識的に取り組んでいます。

 8月1日にある中四国ブロック交流会の開催を節目にして、期日を具体的にしながら結成を準備しています。

 鳥取県では、米子市と境港市にまたがる形で民間の米子空港と航空自衛隊美保基地が同じ場所にあり共同使用しています。

 昨年、住民に何も知らされないまま米軍が新規に使用できるようになっていたことが発覚。住民からは不安の声が上がっています。

 境港市革新懇結成に向けて準備するなか、同市で学習会を開催すると地域の婦人会や町内会から多くの人が参加しました。

 小村勝洋党鳥取県委員長は、「運動のエネルギーは地域や職場にある。国民が求めているのが革新懇です」と指摘しました。

全国革新懇の三つの共同目標

 1、日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざします。

 2、日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざします。

 3、日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざします。


 革新懇 「国民が主人公」の民主連合政府をつくることを展望し、生活向上、民主主義、平和の三つの共同目標にもとづく国民的共同をすすめることを目的に運動する団体。日本共産党が1980年に提唱しました。政治革新の目標で思想・信条の違いをこえて力をあわせます。





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