2010年7月22日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ロレアルは、フランスに本社を置く化粧品会社です。創業から101年。髪の毛を染める技術の開発から出発した小さな会社は、いまや世界最大の化粧品会社に成長しました▼創業者の一族がいま本国で、いささか「美」とはかけ離れたところで話題の的になっています。政界との癒着の疑惑がもちあがったのです。創業者の娘、80代のリリアン・ベタンクール夫人は、会社の株の3割をもつ大金持ちです▼暴いたのは、ベタンクール一家の会計士だった女性。彼女は、一族の財産をめぐる争いに巻き込まれて解雇されました。そして、自分が“渡し屋”だったと告白しました。封筒入り現金を、政治家に渡していた―▼なんと、疑惑の政治家の中に現大統領サルコジ氏もいたというのですから、さあたいへん。創業者が第2次大戦中にファシスト集団に献金していた、一族の前歴もむし返されました。さて、真相のほどは…。サルコジ大統領は、かなりの痛手を負ったようです▼「政治とカネ」の疑惑に、「美」を売る化粧品会社の大株主の登場とは、フランスらしいのかもしれません。ならば日本らしい疑惑のカネの出し手は誰かと考えると、やはりゼネコンに行き着きます。小沢・民主党前幹事長の、ゼネコンやみ献金疑惑の真相も、いまだ明かされていません▼なのに民主党内に、問い調べる動きもなし。来年度の予算づくりでも、疑惑を生みやすい無駄な公共事業の削減にブレーキがかかっています。「コンクリートから人へ」はどこへ?





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp