2010年7月21日(水)「しんぶん赤旗」
「徳之島断念」報道に首長ら
日米声明撤回求める
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)移転問題で、沖縄の負担軽減策と称して、今年5月日米両政府の共同発表(声明)に盛り込まれていた、米海兵隊の訓練を鹿児島県の徳之島に移転する案について、「日本政府が事実上断念する方針を固めた」と一部マスメディアが20日付で報道したことに対し、同島の首長らが感想を語りました。
大久保明・伊仙町長は、「『断念』は政府の正式表明ではない。菅内閣の事情で1年ぐらい先送りという考えでは。2011年度予算案に移転費が計上されなかったとしても日米共同声明は残っている。日本は被爆国の責任として軍縮を真剣に世界に向けて主張すべきだ。菅総理がアメリカに屈することなく『米軍基地は撤去を』と言い続けてほしい」と語りました。
高岡秀規・徳之島町長は、「報道が事実であれば、民意が反映された結果だと思います。特に島民の6割が参加した1万5千人集会が一番大きい。できれば日米共同声明が白紙撤回され沖縄からも米軍基地が撤去され、自国に戻ることを望みたい」とコメントしました。
また「徳之島の自然と平和を考える会」の椛山幸栄会長は「一部マスコミの報道であり、真意は定かではありません。政府の『徳之島断念』の正式表明と日米共同声明から徳之島の名前が削除されるまで、反対の世論をいっそう強め、たたかい抜く決意です」と語りました。