2010年7月20日(火)「しんぶん赤旗」
「米国援助の新基地反対」
平和団体「覇権意図明白だ」
ホンジュラス
【メキシコ市=菅原啓】中米ホンジュラスのロボ政権は1月の発足以来、米国の支援を受けて、次々と新軍事基地を建設してきました。新基地には米兵の駐留が確認されており、平和団体や社会運動組織は、新たな米軍基地設置だとして強く反発しています。
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ホンジュラスには、1980年代の中米紛争時に、米軍が周辺国に介入する拠点として建設されたパルメロラ米軍基地が存在します。昨年6月の軍事クーデターの際には、セラヤ大統領(当時)をコスタリカに強制出国させた空軍機が同基地に立ち寄りました。
ロボ政権は発足時から米国の強力な支援を受け、今年4月、東部のカリブ海岸のカラタスカに海軍基地を新設。地元紙などの報道によると、カナウアティ外相は14日、これに加えてカリブ海上のラバイア諸島グアナハにも新基地を建設すると発表しました。
外相は、基地増設の目的は、麻薬組織や組織犯罪集団の対策強化であり、グアナハ基地は大西洋岸の軍事戦略を統合する役割を果たすと説明しています。
基地建設には、米国から資金200万ドル(約1億7400万円)、高速艇2隻、通信技術などが提供されました。外相は、パルメロラ基地と同様に、二つの新基地にも、米軍の顧問や兵士が駐留することを認めました。
ホンジュラスの「平和をめざす女性運動」は14日、基地増強に反対する声明を発表。「諸国民が望まない戦争を遂行するため、行動範囲を拡大し、わが国領内から覇権を示そうという米国の意図は明らかだ」と指摘しました。
クーデター反対のたたかいの中から誕生した同国最大の野党勢力、全国国民抵抗戦線(FNRP)のバラオナ調整書記は、「米軍基地はクーデターの支援にも使われる。他国の軍事基地はその国にとって脅威であり、世界中のどの国からも撤去されるべきだ。米軍基地はホンジュラスにも、他のどこの国にもいらない」と語っています。