2010年7月20日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 アナログ停波まで1年。本紙でも地デジ連載が始まりました。アナログテレビは、上下の黒帯でますます小さな画面に。字幕は、うんと近づかないと読めません。さながら“我慢大会”です▼自分の家は地デジ対応に買い替えたけど、実家のテレビはアナログのまま、という話もよく聞きます。知人の実家は住民税非課税世帯ですが、国の支援の対象外です。脳梗塞(こうそく)を患う父親にとって、テレビは唯一の楽しみと言います▼手をさしのべる家族がいる場合はいいでしょう。子ども世代も余裕があるわけではありません。このままでは数百万単位でテレビ難民が生まれるとの学者らの予測(18日付)が、実感をもって迫ります。国策なのに、なぜ国民が大きな負担を強いられるのか。怒りがわいてきます▼支援策の周知広報の遅れも、突っ込んだ分析が必要です。対象となる生活保護世帯と日々接するケースワーカーは、支援策を知らされているのでしょうか。血の通った援助が求められます。テレビメディアも買い替えをせきたてるだけでなく、支援策の周知広報に一役買ってみては▼対応の遅れでは難視対策もしかり。アナログ放送終了までに地デジ放送が受信できない地域には、衛星放送を利用した救済策がありますが、東京からどんなに離れていても流れるのはNHK・民放キー局の東京発の情報です▼大雨、台風、津波警報…。国は災害から国民を守る責任があります。問題山積のままアナログ停波を押し切ることは棄民政策にほかなりません。





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