2010年7月19日(月)「しんぶん赤旗」
「沖縄海兵隊は不要」
米議会内から議論も
沖縄の米軍普天間基地をめぐる「日米合意」が両国間の懸案となるなか、在沖縄海兵隊をはじめとする米軍の“海外駐留不要論”が米議会の一部から起きています。
民主党のバーニー・フランク下院金融委員長は10日、米国のラジオ放送NPRで、「沖縄に1万5千人もの海兵隊は必要ない。65年も前に終わった戦争の遺物だ」と述べました。
フランク氏はCNNテレビでも、「海兵隊はわれわれの対中政策と何の関係もない。海兵隊を中国本土に上陸させることなどまずない」と持論を展開。米軍が世界のどこにでも介入するというイメージをもたれれば、逆に反米感情を高めると強調しています。
フランク氏は1991年に結成された米議会の「進歩議員連盟」の発足メンバーの一人です。
一方、上院歳出委員会の有力議員、野党・共和党のケイ・ハチソン上院議員は13日付の政治専門紙ポリティコ(電子版)への投稿で、在沖縄海兵隊のグアム移転計画に言及。同計画には「重大な環境上の懸念」、「膨大なコスト」などの問題があるとして、「代案を探求すべきだ」と提案しました。
また、2008年のロシアによるグルジア侵攻や韓国哨戒艦沈没事件などをあげ、米軍の海外駐留は「抑止力」にならないと主張。海外ではなく、米本土で基地を増強するよう求めています。(ワシントン=小林俊哉、外信部=田中一郎)