2010年7月19日(月)「しんぶん赤旗」
米国の役割協議 初の米韓「2プラス2」 タリバン対策
米国務長官 アジア歴訪開始
パキスタンに到着
【ワシントン=小林俊哉】クリントン米国務長官が18日、パキスタンに到着し、アジア歴訪を開始しました。19日にアフガニスタン入りし、続いて韓国、ベトナムを訪問します。23日までの予定。ベトナムではハノイで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に出席し、東アジアでの米国の役割について各国と話し合います。
韓国では哨戒艦沈没事件をはじめ北朝鮮問題について意見交換し、アフガンではカブールで行われる国際会議に出席するのが主要目的です。
パキスタンでは、政府・軍首脳と会談し、同国への経済援助のほか、アフガン国境付近で活動する反政府武装勢力タリバンへの対策を協議します。
キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は15日の記者会見で、クリントン長官の韓国訪問について、ゲーツ国防長官とともに初の米韓外務・国防閣僚協議(2プラス2)への出席が中心となると述べました。中国が反対している米韓合同軍事演習を日本海と黄海で実施することを正式に合意するとみられます。
また、李明博(イ・ミョンバク)大統領と会談し、経済問題を含め、幅広い意見交換を行うとしています。
キャンベル氏は、中国や北朝鮮が6カ国協議の再開に向けた姿勢を示唆していることを問われ、「適切な状況の下で、北朝鮮との対話の席につく用意がある」と述べ、北朝鮮が挑発的行動をやめるというはっきりした意志をみせることが必要だとの認識を示しました。
また、ベトナムでは、外交関係確立15周年を記念するとともに、ARFで北朝鮮問題に加え、東南アジアの地域安全保障などを議題とする意向を示しました。
ARFでは、東アジア地域での米国の役割についても、意見交換する意向です。東アジアサミットへの米国の正式参加問題をはじめ、これまでのASEANと日中韓3カ国による「ASEANプラス3」の枠組みに加えて、米国やロシアなどの東アジアへの関与をどのように位置づけるかなどが議題となるとみられます。
ベトナムでは、日本、中国、インドなどとの2国間会談も予定。キャンベル氏は、岡田外相との日米外相会談について、普天間基地問題は主要議題とはならないとの見通しを示しました。
クリントン氏はアフガニスタンでは、同国政府が主催し国連事務総長や北大西洋条約機構(NATO)事務総長なども参加する国際会議に、米国代表として出席します。