2010年7月18日(日)「しんぶん赤旗」
米大統領
原油封じ込め見守る
メキシコ湾事故 流出停止は歓迎
【ワシントン=西村央】オバマ大統領は16日、ホワイトハウスで会見し、メキシコ湾での原油流出事故で油井密閉のためのキャップによって流出が停止したことを「良いニュースだ」と歓迎しました。
しかし同時に、「まだなすべき大きな仕事が残っている」として、最終的な封じ込めを見守る姿勢を示しました。
原油の流出阻止では、海底1500メートルにある油井にキャップを取り付けることで流出をとめることが最初の段階。海底の岩盤から掘り進んでいる2本の「リリーフ井戸」から油井に土砂やコンクリートなど封印用資材を流し込み、原油の噴出を止めることが根本的解決とされています。「リリーフ井戸」は海底から約3900メートル掘り進んだところで、油井と交差させるという計画です。
英石油大手BPのサトルズ最高執行責任者(COO)は15日、リリーフ井戸が今月中にも完成し、8月には封印用資材を流し込む作業が開始できるとの見通しを示しています。
オバマ大統領は、「最終解決はリリーフ井戸での作業が完了すること」と語りました。
原油流出は90日近く続き、1日当たりの流出量は最大950万リットルと、膨大な量に及んでいます。
オバマ大統領はこの膨大な原油の回収作業と沿岸部での浄化作業が必要なことにもふれる一方、この災害での経済被害救済のため、BPとの間で合意した200億ドルの補償基金設置の迅速な執行が必要であると述べました。
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