2010年7月17日(土)「しんぶん赤旗」

よみがえれ! 有明訴訟

「漁業低迷は干拓が原因」

長崎地裁口頭弁論 研究者が証言


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(写真)弁論後に開かれた報告集会。発言しているのは、馬奈木昭雄弁護団長=16日、長崎市

 小長井漁協(長崎県)と大浦漁協(佐賀県)の漁民が、国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門を求めている「よみがえれ!有明訴訟」の口頭弁論が16日、長崎地裁(須田啓之裁判長)であり、証人・原告尋問が行われました。裁判は10月4日結審がきまりました。

 証人の日本海洋学会・海洋環境問題委員の佐々木克之氏(元中央水産研究所室長)は、有明海での異変が堤防閉め切りによるものであることを研究データをもとに解明。海砂を採った場所での異変について国側が「漁民の証言しかなくデータがない」と尋問したのに対し「漁民が指摘したのに国が調査しなかった方が問題ではないか」と反論しました。

 国側が「漁業の低迷は、長期的な傾向で干拓が原因とは言えないのでは」と主張すると「科学的なデータを見れば、干拓が原因であることは明らかだ」と述べ、国は反論できませんでした。

 原告で小長井漁協の植木清治さんと山口富徳さんが証言。赤潮の異常発生などで漁ができなくなり、瀬戸内海まで出稼ぎに行った経験、アサリの死骸(しがい)が散乱した惨状を語り、「開門して元の海に戻してほしい。何としても子孫に美しい海を残したい」と訴えました。





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