2010年7月17日(土)「しんぶん赤旗」

主張

小沢氏「不起訴不当」

菅代表はまだ沈黙続けるのか


 小沢一郎・民主党前幹事長がみずからの資金管理団体「陸山会」の土地購入にからむ政治資金収支報告書虚偽記載事件の共犯容疑で「不起訴」となっていた問題で、有権者が参加する東京第1検察審査会は、2007年分について「不起訴不当」を議決しました。

 今後の検察の再捜査の動向と並行して、国会の場での政治的・道義的責任の追及がいよいよ焦点となりますが、問われるのは民主党と菅直人首相(民主党代表)の態度です。鳩山由紀夫前首相の問題同様、小沢氏の問題も辞任で「クリア」したと、ダンマリを続けるのはもはや許されません。

検察審の度重なる決定

 小沢氏は、「陸山会」が土地購入資金にあてたとみられる4億円を提供した04、05年と、それを返してもらったといわれる07年の、政治資金収支報告書虚偽記載の共犯容疑に問われ、東京地検特捜部の捜査ではいずれも嫌疑不十分で「不起訴」となりました。報告書作成当時の会計責任者など、現職の国会議員を含む3人の元秘書はいずれも現在裁判中です。

 04、05年分についてはすでに東京第5検察審査会が「起訴相当」を議決、その後検察は再度「不起訴」としたため、近く2回目の議決がおこなわれることになっています。改めて「起訴相当」が議決されれば、強制的に起訴されることになります。

 第1検察審査会の「不起訴不当」の議決は検察に再捜査を求めるものであり、再び検察が「不起訴」とすればそれで確定します。しかし、司法の活動に国民が参加する検察審査会が、繰り返し「不起訴」を否定したこと自体、検察の捜査に重大な問題を投げかけていることは間違いありません。

 小沢氏にかかわる疑惑の核心は、土地購入資金にあてたと見られる資金の出所です。小沢氏の事務所が関与した東北地方などの公共事業を受注した建設業者からの闇献金が指摘されています。検察審査会の議決は、岩手県内のダム工事を受注し、小沢事務所に資金を提供したと認めた中堅ゼネコン・水谷建設関係者の証言について「具体的で信ぴょう性が高い」としています。資金の出所を含め、小沢氏の疑惑を徹底して解明する必要性は、ますます明らかです。

 検察など司法の捜査と、国会での国政調査権にもとづく真相解明や政治的・道義的責任の追及は、疑惑解明の車の両輪です。解明は国会の場でもおこなわれるべきです。とりわけ小沢氏は現職の国会議員であるだけでなく、政権与党・民主党の実力者です。小沢氏がみずから疑惑を解明するとともに、民主党としても徹底して疑惑を調査・公表するのは、政治家や政党として最低限の責任です。

直ちに小沢氏証人喚問を

 検察審査会の議決に対し、菅首相は「私の立場であれこれコメントすることは控えたい」というだけで、民主党の代表として、小沢氏に疑惑の解明を指示するとも、党として疑惑をどう解明していくのかも、一切発言していません。小沢氏はただの一度も国会の場で疑惑にこたえていません。小沢氏に国会での証人喚問に応じるよう指示するのは当然です。

 いずれにせよ、検察審査会の新たな議決が明らかになった以上、辞任でクリアしたなどという主張は、もはや通用しません。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp