2010年7月16日(金)「しんぶん赤旗」

紅海のサンゴ 成長鈍化

水温 40年間で急上昇

米グループ発表


地図

 地球温暖化で紅海の海水温が上昇し続けると、2070年までにこの海域に生息するサンゴの成長が止まるかもしれない―。米国の研究グループが研究結果を16日発行の米科学誌『サイエンス』に発表しました。

 紅海はアフリカ大陸とアラビア半島の間にあり、海水の透明度が高く、数多くのサンゴが生息することで知られています。

 研究グループは、紅海のダイオウサンゴからドリルで柱状試料を取り出してコンピューター断層撮影(CT)装置にかけ、データをもとに立体画像をつくって、成長量の変化を調べました。その結果、外見上は健康なサンゴなのに、1998年以来成長が30%減少していることが明らかになりました。

 熱帯の海表面温度は70年代から約40年間で0.4〜1度上昇しているといいます。紅海ではそれを上回る海表面温度の上昇が起こっています。

 研究グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の気候変動予測などに基づいてサンゴの今後の成長を予測した結果、地球温暖化がこのまま進むと、海表面温度が現在より1.85度上昇するとみられる2070年には紅海のダイオウサンゴの成長が停止する可能性があることが分かりました。





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