2010年7月15日(木)「しんぶん赤旗」

ヒトとサル

2900万年前以後に分岐

新属新種のサル化石から結論


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(写真)『ネイチャー』の表紙を飾ったサルの頭骨化石(『ネイチャー』提供)

 3000万年近く前に生きていたサルの化石が中東のサウジアラビアで見つかり、15日発行の科学誌『ネイチャー』に発表されました。発見した米・ミシガン大学とサウジアラビア地質調査所の研究グループは、ヒトやチンパンジーなどと、ニホンザルなどが分かれた時期を特定するのに役立つとしています。

 化石が見つかったのは、サウジアラビア西部にある2900万年〜2800万年前の地層です。頭の骨の一部で、顔や上あごの犬歯や臼歯などが残っていました。チンパンジーなどが属するヒト上科と、ニホンザルなどが属するオナガザル上科からなる狭鼻猿類の原始的な仲間で、新属新種と判断されました。

 ヒト上科とオナガザル上科が分かれた時期と場所については、これまでの研究で漸新世(ぜんしんせい=3400万年〜2300万年前)のアフリカとアラビアを含むあたりというところまで絞り込まれていましたが、それより詳しいことはわかっていませんでした。

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(写真)見つかったサルの化石 ©IyadsS.Zalmout,Universityofmichigan
MuseumofPaleontrogy,2009.

 形態的特徴から、新属新種のサルはヒト上科とオナガザル上科が分かれる前に出現したとみられるといいます。研究グループは、今回の発見はヒト上科とオナガザル上科が分かれたのは2900万年前以後とわかったと結論づけています。


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