2010年7月15日(木)「しんぶん赤旗」
核戦争阻止・核廃絶・被爆者支援
三つの目標は死活的
カバクチュラン議長のメッセージ(全文)
カバクチュランNPT議長が日本原水協に寄せたメッセージと、それに添えられた高草木博事務局長あての手紙を紹介します。
2010年8月2日から9日まで広島、長崎で開催される原水爆禁止世界大会に出席されるすべてのみなさんに心からの祝意をおくります。1955年以来開催されているみなさんの大会の重要性と意義は、いくら強調してもしすぎることはありません。
核戦争阻止、核兵器の禁止・廃絶、被爆者への支援と連帯の促進という三つは、世界の平和と安全を促進するうえでも、これまでにつくりだされたもっとも非人道的な兵器の犠牲者の苦難を救う上でも死活的な目標です。
ニューヨークの国連本部には、1945年に長崎で被爆した浦上天主堂の石像、聖アグネス像が贈られています。それは原爆がもたらす死と破壊の冷厳なる証しであり、国連を訪問する人たちは、これらの兵器の存続を許した場合に、みずからの頭上に訪れる恐怖に思い至ることになります。
世界は、広島と長崎に起こったことを忘れるべきではありません。みなさんの毎年の大会はその重要なリマインダー(思い起こさせてくれるもの)です。
2010年NPT再検討会議の議長として私は被爆者のみなさんとお会いし、また、2010年5月2日にはダグ・ハマーショルド広場で、5月4日には国連総会場でほぼ700万の署名を受理しました。どうか、みなさんの優れた活動を続けてください。それはあなた方の大会が掲げる三つの目標の達成を促進し、私たちを核兵器のない世界へと導いてくれるものなのです。
みなさん全員に、原水爆禁止世界大会の成功を祈ります。
(注)ハマーショルド広場は、ニューヨークの国連本部近くにある広場。
日本原水協・高草木博事務局長あての手紙
2010年7月6日付のあなたの手紙を受け取り、感謝のためにこの手紙を書いています。
5月2日にハマーショルド広場で、そして4日には国連総会場で691万2082人の署名を受け取ることができ、誇りに思っています。あなた方の努力がNPT締約国による2010年再検討会議の大きな成功を助けたことは証明済みのことです。あなた方が集めた署名は、世界の指導者たちやその人たちが再検討会議に送った代表団にたいし、条約の三つの柱のすべて、すなわち核軍縮と廃絶、核不拡散、原子力エネルギーの平和利用で前進を遂げるべき必要性を理解させることになりました。
私はまた、あなた方が8月2日から9日まで広島と長崎で原水爆禁止2010年世界大会を開催することを知りうれしく思います。
世界は、第2次世界戦争の際、2発の原爆がそれらの都市と住民に引き起こした恐怖と被害を絶対に忘れるべきでありません。そうした兵器の使用はどのような理由であれ決して再び起こってはならないことです。
私は、そのような重要な行事が開催されることに祝意をおくり、あなたの要請に応え、喜びをもって添付のメッセージをお届けするものです。私の心からの敬意をお受け取りください。
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