2010年7月13日(火)「しんぶん赤旗」
B型肝炎九州訴訟
被害者切り捨て案
福岡地裁 国の見解を原告批判
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B型肝炎九州訴訟の和解協議が12日、福岡地裁(西井和徒裁判長)で開かれました。弁護団によると、被告国は6日の札幌地裁と同様に、集団予防接種を受けたことの証明として母子手帳の提出を必ずしも要件にはしないが、それに代わる客観的証拠の提出を求める、などの見解を示しました。
原告のうち6割は母子手帳を持たず、代替証拠となりうる自治体の予防接種台帳(保存期間5年)なども、ほぼ存在している可能性はありません。原告・弁護団は、原告に不可能な証明を強いるもので、「到底のめるものではない」(小宮和彦弁護団長)と強く反発しています。
原告・弁護団は即日、「声明」を発表し、「およそ和解案と呼ぶに値しない被害者切り捨て案」と批判。「加害者であることを自覚し、一人ももらさず被害者を救済することにこそ最大限の努力を傾けるよう」求めています。
全国原告団代表の谷口三枝子さんは記者会見で、「動かぬ国を動かしてみせる。救済と謝罪を求めてこれからもたたかい続ける」と表明。肝がんを患い、協議中にも体調を崩し、退席した窪山寛さんも「私たちは(国に)無理難題を押しつけているのではない。受けた被害を救済してもらいたい」と強い口調で語りました。