2010年7月13日(火)「しんぶん赤旗」

資金管理団体の虚偽記載

鳩山前首相、報告書を訂正

母親提供資金の使途は?

辞任表明2日前 借入金約4億円増


 資金管理団体「友愛政経懇話会」(友政懇)の政治資金規正法違反(虚偽記載)事件で、その原資となった母親からの巨額資金の使途の説明が求められている鳩山由紀夫前首相が、一連の報告書を訂正していることが12日までに分かりました。「潔白」というなら、訂正だけですますのではなく、国民が納得する説明をする責任があります。


 「自分自身が規正法違反の元秘書を抱えていたなどと、まったく想像していなかった」として、鳩山氏が首相辞任を表明したのは6月2日のこと。その2日前の5月31日に訂正していたのは、友政懇の政治資金収支報告書。2004〜08年の個人献金とパーティー収入の計約3億3800万円を削除し、前首相からの借入金を約4億4000万円に増額する訂正を総務省に届け出ていました。

 これは、友政懇の元事務担当者で鳩山氏の公設第1秘書だった勝場啓二被告に執行猶予付き有罪判決が確定したことを受けてのもの。

 判決では、友政懇の04〜08年の5年間の虚偽記載総額は、個人献金が約2億700万円、パーティー券収入の水増しが約1億5300万円の計約3億6000万円と認定されました。

 訂正で、これをすべて鳩山氏からの借入金としたため、08年末現在の鳩山氏からの借入金は4億3990万8000円と膨れ上がりました。政治活動の公明と公正を確保するための収支報告書がウソだらけだったことが改めて浮き彫りになりました。

 一方、この訂正にともない、鳩山氏は6月18日、09年の資産報告書も訂正。貸付金を1億177万8000円から5億7357万3710円に修正しました。

 「国会が終わったときには、できるかぎり使途を説明したい」といっていた鳩山氏。ところが、参院選で全国を遊説した際、母親からの資金提供について、「知っていたに違いないと思っているでしょう? でも、知らなかった」(6月26日、鳥取県で)などと反省のなさ。

 鳩山氏は次期総選挙に出馬しない意向を明らかにしており、友政懇は、巨額借金をどうやって鳩山氏に返却するのか―。また、母親からの資金の使途は―。首相を辞めたからといって説明責任はなくなりません。同時に、「総理を辞任されたことの意味は大変重い。説明責任は尽くしている」などと擁護する菅直人首相の姿勢も問われています。





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