2010年7月12日(月)「しんぶん赤旗」
主張
原水爆禁止世界大会
NPT会議を踏まえて前進を
原水爆禁止2010年世界大会まで1カ月足らずとなりました。国際会議・広島は8月2〜4日、広島大会は4〜6日、長崎大会は8〜9日に開かれます。
広島・長崎の被爆から65周年をむかえる今年の世界大会は、核不拡散条約(NPT)再検討会議の成果をうけて、世界の平和運動が今後の運動方向を議論する場として、注目されています。
求められる具体的行動
今年5月ニューヨークで開かれたNPT再検討会議は、核兵器廃絶が押しとどめることのできない世界の大勢であることをあらためて示しました。会議は「核兵器のない世界」達成のため、「必要な枠組みを確立する」「特別な取り組み」を確認し、とりわけ核兵器国に「いっそうの取り組み」を求めました。これは核兵器廃絶への重要な前進の一歩です。
会議を踏まえ、求められているのは、「核兵器のない世界」を実現するための具体的な行動です。
再検討会議では、多くの非核保有国が核兵器廃絶のための国際交渉の開始を要求し、潘基文(パンギムン)国連事務総長が提案した核兵器禁止・廃絶条約も注目されました。会議の焦点となった核兵器廃絶条約の交渉開始と条約締結は、原水爆禁止世界大会と世界の反核運動が要求し続けてきたものです。
ニューヨークに届けられた690万人をこえる「核兵器のない世界を」国際署名が求めたのも、まさにこのことです。再検討会議での前進は、核兵器廃絶をめざす諸国政府と被爆者を先頭とする日本の原水爆禁止運動、世界の反核運動が共同してかちとったものといえるでしょう。
NPT再検討会議では、一部の核保有国の反対によって核兵器廃絶条約の交渉や期限を区切った行程づくりなどは実現しませんでした。それだけにいま、核保有国にいっそうの決断と行動を迫る広大な国際世論をつくることがもとめられています。
再検討会議は2014年に各国がとりくみの進展を報告し、次回会議(2015年)で具体的対策を打ち出すことを決めています。これからの一年一年は「核兵器のない世界」実現への具体的な歩みが問われます。今年の世界大会には、こうした新しい到達と情勢にこたえて前進をきりひらく展望と運動方向をあきらかにすることがつよく期待されています。
被爆国・日本として
被爆国日本の政府には、核兵器廃絶の先頭に立つことが強くもとめられます。しかし、日米軍事同盟のもとアメリカの「核のカサ」に依存しているため、国際社会でその責務をはたせていません。アメリカの核兵器持ち込みを認めた「核密約」を廃棄し、非核三原則を実行して真の非核化を実現することが必要です。
再検討会議では、広島・長崎など被爆者の活動が大きな注目をあつめ感動をひろげました。1500人の日本代表も各地で運動の先頭にたっています。世界大会の成功をささえる日本の運動の責務が大きくなっています。
日本共産党は、志位和夫委員長を先頭とした再検討会議での活動など、一貫して核兵器廃絶のためにたたかい続けてきました。世界大会の成功をはじめ、日本と世界の反核平和運動と共同して、ひきつづき奮闘する決意です。
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