2010年7月11日(日)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「お見合いで正社員かとまず聞かれ」。本紙「読者の文芸」欄に載った、神奈川県・都留あき子さんの川柳です(5月25日付)▼女性と若者の2人に1人が、派遣や請負、パートなど非正規雇用の日本。なりたくて派遣労働者になったわけではないのに、川柳のように肩身のせまい思いをさせられる若者が少なくありません▼年収200万円に満たない労働者が1千万人を超える“ワーキングプア大国”の日本で、あやしげな経済論が現れました。消費税の増税が経済を成長させる。菅首相の持論です。取り立てた消費税を介護や子育てに回せばいい、と▼所得の低い人を苦しめ、家計の消費を冷やして景気を落ち込ませる消費税の増税。なのに、経済成長の源みたいに語るのですから、経済専門家もびっくりです。まして、大企業向け減税にあてる増税では、ろくに介護にも回りません▼ゆとりを失っている庶民の暮らしを締めつけ、「成長」の資金をしぼり出そうとする菅首相。対して日本共産党は、余っているお金の活用を提案します。たまりにたまり、つかい道に困る大企業の内部留保です。230兆円の一部を、労働者の賃金や雇用、中小企業の下請け代金に還元させる。人々の所得がふえれば当然、国に入る税金もふえます▼先の都留さんの句が載る日の「読者の文芸」には、こんな川柳もありました。「分身の術で自民の票稼ぎ」(兵庫県・竹安守さん)。分身にいっぱい食わされないよう、ご用心。さあ、いよいよ今日が投票日です。