2010年7月9日(金)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「生まれは台湾台中の/阿里山ろくの片田舎/美人の娘に見初められ/蝶よ花よで育てられ/ほんのりお色気ついたころ/一房二房もぎとられ…」。バナナのたたき売りの文句です▼4日付でバナナのたたき売りについて書いたところ、関西の読者からおしかりを受けました。菅首相の消費税還付のちぐはぐ演説を「バナナのたたき売りみたい」と書いているが、大阪の日本共産党・清水ただし候補は、バナナのたたき売りを売りにがんばっている。水を差すのではないか、と▼漫才師から政治家を志した清水さんは、バナナのたたき売りでも「極楽亭ぺんぎん」の芸名をもつ人。4日付で、“九州の門司で生まれたバナナのたたき売りは芸として広まった”と書きましたが、清水さんも伝統の芸を受け継ぎます▼清水さんは、「生まれは台湾台中…」の文句に、時の話題も交えて語ります。「…同じほれるというのなら/派遣村の村長の/清水ただしにほれなはれ」。大阪の民放ラジオ番組、「ラジオ派遣村」の進行役も務めた清水さんです▼さて、菅首相の消費税値引き演説。腐ってしまうバナナや魚は、たたき売らないともったいない。お祭りのたたき売りは、人を楽しませる大道芸です。しかし税金の場合、選挙演説でたたき売りするような話ではないでしょう▼でまかせの「還付」で人を惑わしながら、大企業向け減税を穴埋めする増税法案を、来年にも成立させたい菅民主党。ここはぜひ、清水さんの当選で政治をおもしろくしたい。