2010年7月8日(木)「しんぶん赤旗」

主張

安心の子育て

保育のいまと未来かかる選挙


 参議院選挙のなかで、「保育所をつくってほしい」と、政治に保育の充実を求める声がかつてなく寄せられています。この声にこたえる道はどこか、保育のいまと未来をめぐる選択が、選挙戦の争点になっています。

保育大改悪にストップを

 菅直人首相は保育所について、「制度が悪くて施設を増設できない」とのべ、制度を変えて幼稚園と保育所を一体化すると表明しています。保育を経済成長につなげることも強調してきました。

 法人税減税と消費税増税を「強い経済」「強い財政」をつくると提唱した菅首相ですが、保育は「強い社会保障」のひとつに位置づけられています。その中身は、保育を企業が大いにもうけられる市場に変えるもので、日本経団連の「成長戦略2010」をはじめ、財界が長年求めてきた方向です。

 民主党政権が6月末に決定した「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」には、めざす制度の重大な内容が示されています。

 自公政権の制度改悪をそのまま引きついで国と自治体の責任を後退させ、幼稚園と保育所を一体化した「こども園」に営利企業を積極的に参入させる、子育て予算は丸ごと“一括交付金”化して自治体の自由にまかせるというものです。国の責任を投げ捨て、長年築きあげてきた公的保育を根こそぎ解体する大改悪です。

 待機児童の原因は制度にあるのではありません。自公政権が認可保育所をつくらず、定員以上に子どもを詰め込む「規制緩和」をすすめてきた結果です。解決の道は定員超過の「詰め込み」をやめ国の責任で安心して預けられる認可保育所をつくる以外ありません。

 しかし政権交代後の10カ月、民主党政権がすすめてきたのは認可保育所の建設ではなく、最低基準の撤廃、給食の外部搬入など「規制緩和」の強行につぐ強行でした。長妻昭厚労相の「子どもの昼寝に敷布団が必要か? 床に直接寝かせればいい」(「毎日」5月23日付)発言に怒りが広がりました。連立与党だった社民党も「新システム」の検討を一緒にすすめました。

 認可保育所を建設し安心できる保育をつくるのか、それとも国の責任を投げ捨てる保育制度改悪を許すのか―保育の未来がかかる重要な選択が問われています。

 日本共産党は公的保育制度を守り発展させるために、父母、保育関係者とともにたたかってきました。待機児童問題の解決のため、毎年10万人、3年で30万人分の認可保育所建設、保育内容と保育環境の充実を、消費税増税なしの財源と一体で提案しています。

願いにこたえる党前進を

 国会でも党国会議員団はくり返し認可保育所建設を求めてきました。小池あきら参院議員が、保育所建設用地に国有地の活用を検討すると国に約束させるなど、政治を動かし前にすすめています。

 全国約300万人から寄せられた待機児童解消と保育拡充を求める請願署名には、父母、保育関係者、国民の切実な願いがつまっています。この願いにこたえる政治の実現こそ必要です。そのためには保育制度改悪を許さず、安心して預けられる保育所づくりをともにすすめる日本共産党の前進がなにより大切です。子どもの笑顔が輝く保育のいまと未来のために、全力で奮闘する決意です。





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