2010年7月7日(水)「しんぶん赤旗」

みんなの党 「足りなければ消費税」と主張

“小泉路線”踏襲が「要」


 みんなの党が「いまや民主党も自民党も全く同じ土俵」(渡辺喜美代表)と叫んで、“新しさ”をアピールしています。しかし、目指す政治の中身を見ると―。

 民主・自民が打ち出した「消費税10%」についてみんなの党は、「増税の前にやることがある」、「増税すれば景気は悪くなるに決まっている」(4日、党首討論)などと、「反対」姿勢を示しています。

 しかし、同党の新著『「アジェンダ」で日本を変える!』では、法人税減税などを柱とする大企業応援策で経済成長をめざすと主張。「それでも足りなければ消費税という話が出てくる」(江田憲司幹事長)と、消費税増税を当然の選択肢にしています。マニフェストでは今後3年間を「集中改革期間」とし、「その後の恒久財源」で、消費税を「検討」するとしています。

 結局、みんなの党の考えは大企業減税をまずやり、「4%成長が達成できれば…税収が伸びて財政再建にもなるし…社会保障財源の調達にもなる」「それでも足りなければ消費税増税」(前掲書)というもので、増税推進の立場に変わりありません。

 大企業減税で企業のもうけを増やせば国民の所得が増える、というのは破たんした路線です。菅直人首相が消費税増税の口実にしきりに持ち出すギリシャの財政破たんの大きな原因は、行き過ぎた法人税減税が国の財政に巨額の穴をあけたのでした。

 もともと同党の基本路線は、昨年の総選挙で国民の厳しい審判を受けた「構造改革」路線への反省もなく、それをより徹底しようというものです。「中途半端に終わった『小泉・竹中路線の失敗』を乗り越えた真の本格的構造改革路線を構築」(渡辺代表の著書『民主党政治の正体』)する、との表明がそのことを物語っています。

 渡辺氏は「みんなの党が小泉路線と違うのは、きちんとセーフティ・ネットを考えているところ」(前掲書)と強調します。しかし、雇用や社会保障などの「要」の部分で、小泉路線を踏襲しています。(表参照)

表




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