2010年7月6日(火)「しんぶん赤旗」
“犠牲増避けがたい”
駐留米軍司令官 アフガン重大局面
【ワシントン=西村央】アフガニスタン駐留米軍の司令官となったペトレアス氏は、4日、アフガニスタンの首都カブールで、「数年間に及ぶ戦争の結果、重大な局面を迎えている」と述べ、アフガン戦争が9年目に入っている今、その戦況は厳しいものになっていると強調しました。
ペトレアス氏の表明は、米軍司令官と兼任することになる国際治安支援部隊(ISAF)司令官の就任式で述べたもの。同氏は「アフガニスタンで簡単に片付くことは何一つない」として、国際テロ組織アルカイダの脅威が依然残っていることを例示。テロ組織がアフガンで再び聖域を築くことを押さえ込まなければならないと述べました。
アフガニスタンでの米軍とISAFに参加している多国籍軍の戦死者は、この6月に100人台となり、1カ月間の死者は2001年10月の米軍の攻撃開始以来、最も多くなっています。
米軍は今後、反政府武装勢力タリバンの拠点となっている南部のカンダハルへの攻撃を強化する構えです。ペトレアス氏は6月29日の上院軍事委員会公聴会で「今後数カ月間、激しい戦闘が続く」と述べ、犠牲が増えるのも避けがたいとの認識を示していました。
オバマ大統領は昨年12月の3万人増派発表の際に、掃討作戦でタリバンの軍事力をそぎ、11年7月から米軍兵力を削減するとの方針を掲げていました。削減開始期限まで1年となった現在、その方針が貫かれるかどうかも、正念場を迎えます。
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