2010年7月4日(日)「しんぶん赤旗」
法人実効税率と実際の税率は?
法律では40.69%だが優遇制度で10%台も
Q 法人実効税率って法人税率とは違うの。
A 企業の利益にかかる税金には、法人税と法人事業税と法人住民税の三つがあるわ。法人税は国の税金、あとの二つは地方の税金よ。法人税率は法人税の税率のことね。
Q じゃあ、法人実効税率というのは?
A 法人課税の実効税率というのは、この法人税率に地方税である法人事業税と法人住民税の税率を加味したものよ。企業の利益にかかる税金の国税と地方税をあわせた全体の税率のことをいうの。これはあくまでも法律で定められている税率のことよ。
Q 大企業の税率はそれぞれどのくらい?
A 法人税率は30%よ。ただし、所得が年800万円以下の中小企業は税率が18%になっているわ。
東京の場合、法人住民税の税率は法人税額の20・7%だし、法人事業税の税率は3・26%よ。さらに地方法人特別税は、事業税額の148%なのよ。
Q 実効税率はこれらを足したものなの?
A 単純に足すわけではないのよ。所得計算の上で法人事業税額が差し引けることなどを考慮すると、法律で定められた実効税率は40・69%になるのよ。
Q 大企業の実際の税負担はもっと小さいと聞くわ。
A そうよ。研究開発費の一部を法人税から差し引く制度や、外国子会社が支払った税金をまけてもらう制度などの恩恵を受けて、大企業が国と地方に納めている実際の税負担率は法律上の実効税率を大幅に下回る30%近くになっているわ。
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