2010年7月3日(土)「しんぶん赤旗」
米普天間基地の提供問う
沖縄・宜野湾市 日本政府を提訴検討
「世界一危険」とされる米軍普天間基地を抱える沖縄県宜野湾市が2日、同基地を米国に提供している日本政府を相手取り、今年度中にも提訴する方向で検討に入りました。伊波洋一市長が同日記者会見して明らかにしました。
同市は今年4月に、訴訟が可能かどうか、弁護団や専門家に調査を委託していました。弁護団はこの日、訴訟は「効果的であり有効」だとする意見書を伊波市長に提出。その中で、普天間基地の提供は▽憲法92、94条が保障する同市の自治権と憲法32条が保障する裁判を受ける権利を侵害している▽憲法14条が保障する地方自治体の平等原則に違反▽安全性を欠く施設提供は著しく受忍限度を超える―などと指摘しています。
裁判として(1)無効確認訴訟(基地を提供する協定は無効と確認する)(2)国家賠償請求訴訟(基地によって市に生じる損害を支払えと求める)―の提起を提言しました。
これを受けて市長は「市議会に予算措置の議決を求め、今年度中にも提訴の方向で検討したい」とし、「訴訟を通じ、国の基地提供のあり方を問い、米国政府、米国世論にも訴えていきたい」と語りました。