2010年7月2日(金)「しんぶん赤旗」

データで見る欧州と日本

均等待遇とみなし雇用

労働者保護する国は


 欧州では、解雇規制、労働時間、最低賃金、有給休暇、パートや有期雇用労働者の均等待遇など、労働者を保護するためのEU指令が制定され、各国に定着しています。

 労働者派遣についても、派遣事業の乱用から労働者を守る保護措置を法律で定めてきました。その中心は均等待遇です。派遣労働者の賃金や労働条件について、派遣先の通常の労働者と同等にし、差別しないという原則で、ヨーロッパの75%の国が法律で均等待遇を定めています。

 派遣労働者の雇用保障で注目されるのが欧州で広く普及している「みなし雇用」制度です。「みなし雇用」は、派遣期間を超えて派遣労働者を受け入れた場合や、派遣先が労働者派遣法に違反した場合に、派遣先と派遣労働者との間に期間の定めのない雇用契約(正社員化)が成立しているとみなす制度です。

 「みなし雇用」制度などで、欧州全体では約50%の労働者が派遣期間終了後、派遣先に直接雇用されています。日本には「みなし雇用」制度はなく、派遣先が違反しても厚生労働大臣から指導、勧告を受けるだけの「雇用契約申し込み義務」があるにすぎません。

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