2010年7月2日(金)「しんぶん赤旗」
主張
暮らし守る政治
大企業いいなり抜け出てこそ
参院選の争点として取り上げてほしい問題は―「景気・雇用」73%、「年金など社会保障」51%、「財政再建」35%…。全国紙が参院選の公示直前おこなった世論調査の結果です。(「読売」6月19日付)
国民の暮らしの問題は、参院選の重大な争点です。民主党や自民党が持ち出してきた消費税の大増税は、国民の暮らしを破壊し、経済を破たんさせます。消費税増税をやめさせるとともに、雇用や福祉、農業や中小企業、子育てなどの問題で大企業いいなりの政治をただし、大企業応援から国民の暮らし応援の政治に転換させてこそ、暮らしも営業も向上できます。
菅政権で逆戻りの危険
「大企業を応援すれば、経済が成長し、やがて国民の暮らしもよくなる」という自民党流の大企業応援政治は、完全に破たんしています。自民党政府が大企業の活動の自由を広げる「規制緩和」を推し進め、大企業の税負担を軽くした結果、日本の大企業は不況下でも記録的な大もうけを続けています。ところが日本経済はこの10年余りほとんど成長が止まった、世界でも異常な経済です。国民の暮らしは大企業の「リストラ」や福祉の切り詰めで痛めつけられてきました。まさに「大企業栄えて、民滅ぶ」です。
日本銀行が毎年おこなっている調査でも、暮らしに「ゆとりがなくなってきた」という人が6割前後を占めます。暮らしを立て直すことは、最優先の政治課題です。
国民が昨年の総選挙で自民党政権に終止符を打ったのは、こうした政治を終わらせることを望んだからです。ところが民主党政権は、直ちに実施するといったお年寄り差別の後期高齢者医療制度の廃止を4年後に先延ばしし、異常な「派遣切り」を繰り返させない労働者派遣法の改定も抜け穴だらけのものにすりかえてしまいました。失望と怒りが渦巻いています。
鳩山由紀夫氏から政権を引き継いだ菅直人首相も、公約違反を反省するどころか、「強い経済」だと大企業減税を持ち出し、「強い財政」には消費税増税を、「強い社会保障」には福祉などの「規制緩和」を持ち出すありさまです。国民の暮らしを応援するどころか、大企業応援政治への逆戻りです。
大企業減税のための消費税増税をやめさせるとともに、後期高齢者医療制度は直ちに廃止すべきです。労働者派遣法は抜本改正すべきです。お年寄りや子どもたちの医療の無料化、障害者を支援する総合的な福祉法の実現、最低保障年金制度の確立、人間らしく働ける雇用のルールと中小企業や下請け企業いじめをやめさせる公正な取引の実現、農林漁業の再生などが不可欠です。国民を応援する政治の実現が待ち望まれます。
大企業にもの言える党で
そのためには、大企業のいいなりにならず、異常をただしていく政治が必要です。民主党にはその姿勢が欠けているから、派遣法改定の骨抜きなど、公約違反を重ねるのです。財源は消費税に頼らなくても、軍事費などムダを削減し、大企業・大資産家の行きすぎた減税を改め、大企業のもうけとためこみを還元させて内需主導の経済成長を実現すれば確保できます。
大企業に堂々とものが言え、経済政策のおおもとからの転換を掲げる日本共産党の躍進こそ、国民の暮らし応援政治実現の力です。
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